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2022.05.01

神社のあれこれQ&A


③お参りの時に手を打つのはなぜ?

神社にお参りする時は、二回お辞儀をして二回手を叩き祈りを込め、最後にもう一度お辞儀をします。この「手を叩く・打つ」という行為は「柏手(かしわで)」という礼儀作法で、これは「武器を持っていない」事を神様に示す為のものです。「素手であること、下心がないことを示す」為に手を打ちます。手を叩く事で神様をお呼びする、という事ではないのですね。

正式な作法としては右手を手前にずらして二度手を叩いた後に、また指先を揃えて祈りを込めるのですが、これにも意味があり、これは左手を「陽=霊」右手を「陰=体(身)」とする霊を主体とした神道の考え方に由来しているそうです。右手がずれている時点では神様と人とがまだ一体になっておらず、その後きちんと指先を合わせて祈りを込める事で、神様のお力を体得すると言われています。また普通に打つよりも音色が良くなる、とも言われます。

もともと柏手は古代から行われていた文化であり、魏志倭人伝にも日本人が古くから尊い方に対面すると手を打ち鳴らしていた事が書かれています。手を叩く行為は称賛や喜びの表現として万国共通して巳まれますが、神様の礼拝にも取り入れられているのは日本だけだそうです。

礼儀作法はその順番を間違わないようにと、そこにばかり意識が集中してしまいますが、このような意味を知る事で更に神様との繋がりを深く感じ、所作に思いを込めて頂ける事と思います。流れでお辞儀をして手を叩いていた時とは違う参拝が出来る事でしょう。