神社のあれこれQ&A

2024.06.01

神社のあれこれQ&A

「衣替え」はもともと中国の風習で、旧暦の四月一日に冬服から夏服に、十月一日に夏服から冬服に着替える事を指していました。日本に伝来したのは平安時代で、中国と同様に年二回、夏と冬の装束を入れ替える、貴族の間だけの行事でした。
そして江戸時代になると、衣替えは年四回に増えます。当時は人々が皆、季節ごとの着物を持っていた訳ではないので、季節が変わるごとに綿を抜いて薄く仕立て直したりしていました。手持ちの衣装を長く着る為には、衣替えは必要な行事だったのです。

現在のように年二回になったのは明治時代からで、地域によって差はありますが六月一日と十月一日頃に行われるようになりました。衣替えは単なる家事ではなく、季節感を養ったり「物を大切に長く使う」という精神を培う事が出来ると言われています。最近は衣替えを行わなくなったご家庭もあるようですが、異常気象により季節の変わり目が分かりづらくなっている今、衣替えを行う事で大切な文化と四季の移ろいを感じてみるのも良いかもしれません。