神社のあれこれQ&A

2024.03.01

神社のあれこれQ&A

昔、血縁関係のある家族群で構成された集団の事を「氏(うじ)」「氏族(うじぞく)」と呼んでいましたが、その氏族で特別に縁故がある神や、霊験あらたかなる神を「氏神(うじがみ)として祀っていました。時が経つにつれ、この氏神の観念が変化してくると、やがて住んでいる土地の神を氏神と称するようになりました。そして今日では、殆どその意味で使われています。
一方、産土神(うぶすながみ)は語源が諸説ありますが、ウブ=生む、スナ=砂、すなわち土地を指すとする説が妥当で、各人を生んでくださった土地の霊とするのが有力です。「人間は両親の力だけでなく、土地の霊力によって生まれる」という信念から、生まれた郷土の神を産土神と称して祀りました。

結果、氏神と産土神とはどちらもかなり古くから混同されていたそうです。今日でも取り立てて区別する事はなく、居住地の神を氏神とも産土神とも称しています。