神社のあれこれQ&A

2023.08.01

神社のあれこれQ&A

⑱「白色」は神様と関係があるのですか?

古代の神話などで度々、神様などを「白色の動物」として表現している物があります。白鹿や白蛇などが有名ですが神様とされたこのような動物の出現は、おおむね吉兆と考えられていて、白色の動物は神聖視されてきました。その事からも「白色」は遥か昔から特別な色だった事が分かります。

「白色」は何にも侵されていない真っ白で汚れのない神聖な色であり、神の色として扱われてきました。日本書紀の一節にも、とある人物が白い雉を献じた時に、年号が「白雉と改められた事が書かれていたり、白い亀が献上された時にも「宝亀」という年号に改められた、とあります。年号を変えてしまう程、言い換えれば時代を変える力さえも「白色」にはあったようです。その後、
「白色」は神事や服の色にも使われるようになりました。


一方で上記の意味とは別に「白色」には「死」、「不気味」といった負のイメージもあります。昔の人が骨の色から連想したものと思われますが、確かに死装束なども「白色」が使われています。また、現在では黒い喪服も、明治維新で西洋文化が取り入れられるまでは白いものが当たり前に用いられていたそうです。

このように「白色」は神様の神聖な色であり、また不吉な色でもある興味深い色です。我々の一生も赤ちゃんの白い産着から始まり、亡くなる時の白い装束で幕を閉じます。日本人と「白色」とは切っても切れない関係があるようです.